カヌー競技トップ選手の「薬物混入」「器具盗難、破損」事件、被害のウワサが拡大中

 前代未聞の禁止薬物混入事件。カヌーの日本代表候補選手・鈴木康大(久野製作所)がライバルの小松正治選手の飲み物に禁止薬物を混入させていたことを、日本カヌー連盟が公表。これを受け、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は鈴木に対して、8年間の資格停止処分を決めた。

 しかし、話はこれで終わらない。鈴木が2010年ごろから、ライバルである数名のトップ選手に対しても、GPSやパドルなど器具の窃盗や破壊を繰り返していたことがわかっているからだ。

「連盟は、報告の上がった被害に関しては被害者と話をして示談にしているようですが、鈴木の証言がすべての被害だという確証はなく、選手の間からは『さらに別の被害もあったのでは?』という声が出ている」(競技関係者)

 今回の問題発覚は、昨年9月の日本スプリント選手権大会でレース後の小松にドーピング陽性反応が出たことが発端だった。

 11月下旬になって、鈴木が罪悪感から連盟関係者に薬物混入を自白。薬物はネット購入した筋肉増強剤のメタンジエノンを、こっそり小松のドリンクボトルに入れたということだったが、本件のみならず長年の常習的な妨害工作も打ち明けた。

 そのため選手たちの間では「過去にモノがなくなったのは、盗まれたからかも」といった話が飛び交っているという。

「ただ、選手側も昔の話を引っ張り出してまで連盟に調査を求めるようなことはしていないですからね。でも、中にはそういう被害によって能力が出せず、思うような結果が残せなかったという選手もいるはず。そうなると、鈴木が関わったレースの公式記録も正当なものとして扱えるのか疑わしくもなります。そのあたり、記録の有効・無効をどうするか、事態は深刻ですよ」(同)

 鈴木は学生時代から大会優勝などを重ね、立命館大学時代には主将も務めた。その4回生の時、今から10年前に日本ランキング1位となり、その後の五輪出場が期待されてきたが、他選手への妨害を繰り返しながらも北京、ロンドン、リオの3度の五輪は、いずれも“世界選手権上位”という出場条件に届かず、一度は引退。しかし、東京五輪出場を最後のチャンスとして現役復帰していた。妻は同じくカヌー競技の日本代表で、北京五輪では6位に入賞している綾香(旧姓・久野)夫人で、最近は夫婦で福島県二本松市にてスポーツクラブを営んでいた。

「もしかすると、一番つらいのは綾香さんかも。彼女の後押しで鈴木は復帰を決めたのに、皮肉にも、それで抱えたプレッシャーが、こんな大事件に発展。綾香さんは競技人口の減っているカヌー人気向上に尽力していた人で、東京五輪に向けた取り組みも人一倍頑張っていたんです。それが逆に業界の足を引っ張った形になったので、やり場のない怒りと悲しみに暮れているのでは?」(同)

 あらゆる人々を不幸にした不祥事に、日本カヌー連盟は鈴木の“永久追放”を示唆しているが、まだまだ対応に追われているのが現状だ。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)


Source: 日刊サイゾー

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